あなたも一度は行ったことがあるであろう居酒屋チェーンの鳥貴族。
その鳥貴族が最近苦戦中です。
2019年7月期の中間決算と通期業績予想が発表され、当期利益が上場以来で初めての赤字になることになりそうだとのこと。
居酒屋チェーン「鳥貴族」赤字に転落へ 値上げで客離れ招く #nhk_news https://t.co/nzZxZK7zA3
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年3月8日
意外と好きな居酒屋チェーンなので頑張ってほしいですが、投資は投資。
実際に鳥貴族に対して私たちが投資できるかどうか、ちょっと見てみます。
- 鳥貴族の業績悪化は明白
- 業績悪化と今後の景気悪化の影響で株価が長期低落になる可能性が高い
- 配当・優待利回りが悪い
- 現状、投資には不適格
では、実際に見てみましょう!
目次
鳥貴族(3193)の業績が急激に悪化 株主優待や株価の見通しは?

さて、客観的なデータから、鳥貴族が今後の投資対象になるかどうか見定めてみることにします。
鳥貴族が赤字に転落(2019年7月期)
鳥貴族は2019年3月に2019年7月期の中間決算と通期業績予想を発表しました。
ざっとまとめると以下の通りとなります。
売上高は前回予想に比べて5.5%減少
営業利益同61%減少
経常利益同63%減少
当期利益は前回の7億4000万を大きく下回り約3億5000万円の赤字
この理由として鳥貴族は、価格改定からの客足減少、出店計画の不備が原因であったことを上げています。
人件費等のコスト高を背景とした28年ぶりの価格改定を2017年10月に実施したこと等から客数が減少し、店舗の収益力が低下するという結果となりました。
加えて、出店加速により展開した新店は、好調時の水準をベースに売上高や経費を計画していたため、出店時の売上高・利益計画に対して未達で推移する店舗が多く発生した。
出典:鳥貴族
鳥貴族の株価推移(右肩下がりが止まらない)
鳥貴族の株価推移を見てみます。
まず、この5年、次いで2年です。


これを見ていただければ、鳥貴族の株価はこの1年はずっと右肩下がりになっていることが一目瞭然ですね。
鳥貴族は2014年7月にジャスダックに上場しました。
その後、2015年に東証第2部へ、そして2016年4月には東証1部に指定替えが行われました。
この間、株価は順調に右肩上がりで推移ししてきています。
もちろん、アベノミクスによる景気全体の効果はあった事もあるでしょうが、この間の株価上昇は低価格帯における客足の増加というのが一番大きな要因であったでしょう。
しかしながら、2017年10月に均一価格をそれまでの280円から298円に10%程度値上げを行ってから株価の様子がおかしくなりました。
見事に2018年の1月頃を境に株価の現象が始まっています。
もちろん、市場全体としても2018年に入ってから一進一退ということはありますが、それでも半分近くになっていますね。
鳥貴族の配当、株主優待の現状
長期投資家にとって重要な要素である配当や株主優待。
鳥貴族の現状は次の通りです。
配当:1株当たり8円 配当利回り約0.5%
株主優待:1,000円食事券年2回 優待利回り約1.2%
正直に言いますと、合計でも約1.7%程度。
ハッキリ言ってしょぼいですね。
鳥貴族の最低取得単元は100株ですから、現状(2019年3月)でも約16-17万円くらいは必要です。
これで半年ごとに1,000円の食事券と800円の配当はちょっと少ないなぁと感じざるを得ませんね。

鳥貴族は投資する価値があるのか?

上では株価動向や配当利回りを見てみました。
結論から言えば、鳥貴族(3193)は現状では投資対象とは言えないと思われます。
- 株価が長期低落傾向
- 優待利回りが非常に悪い
投資の基本となる公式を思い出してみましょう。
投資の基本はbuy&holdの長期投資でインカムゲイン(=配当)を狙うもの。
株価が長期低落傾向というのは業績が良くても市場の影響から下がることもあります。
この場合、好きな銘柄であったり業績が安定しているのであれば、安くなったらどんどん買い足すことによって株式数も増えますし、今後の回復も期待できます。
しかし、鳥貴族の場合は値上げに端を発した客足離れが業績悪化の明白な理由です。
今後の景気悪化で一段の株価減少のリスクはあるでしょう。
また、上記かっこ内の原則に当てはめてみれば、配当利回りの悪さは致命的です。
株価が安くなったからといって買い増していったところで、大きな配当利益は得られないということになります。
さらに、上場してから日も浅いこともあって実績もあまりないので確かなことは言えませんが、今後の業績悪化に伴って減配ということも大いに考えられます。
この点、米国企業は多少業績が悪くなっても、気合を入れて株主に還元する姿勢が強く数十年にわたって連増苦増配を続けていますね。
このように、現状において鳥貴族は投資対象としてはやや不適格な状態にあるといえますね。
鳥貴族が値上げしたことで優位性がなくなった
私自身は値上げする前も値上げしてからも、たまに鳥貴族は使っていました。
しかし、明らかに値上げ後はその回数が少なくなりましたね。
もちろん、焼き鳥を食べたければ鳥貴族に行きます。
しかし、毎回外で居酒屋に行くときに焼き鳥を食べるわけではありません。
これまではその安さがウリだったので、安いねぇと食べに行きましたが、値段が他の居酒屋と同じであるなら、あまりメニューも変わらない鳥貴族に行くくらいなら、他の居酒屋に行きます。
もっとも、値上げをして客足が遠のいたことによって、並ばずに入らなくてもよくなったということが利点でしょうか(笑
まぁ、個人的感想を言えば、味はたいして変わっていないと思いますから、空いていてさっさと入れる居酒屋は便利かな、とは思いますけどね。
でも、特に最近は繁盛しているという印象はないですね。
まとめ:鳥貴族への投資は慎重に行うべき
まとめます!
- 鳥貴族の業績悪化は明白
- 業績悪化と今後の景気悪化の影響で株価が長期低落になる可能性が高い
- 配当・優待利回りが悪い
- 現状、投資には不適格
やや厳しい印象になってしまいました。
一般的に、今後の景気悪化が避けられないとするなら、せめて業績が良ければ、将来性があれば、という観点があるのであれば投資をしたいと思います。
しかし、鳥貴族にはそうした感じがちょっと見受けられないなぁと感じるところです。
基本的には好きな銘柄に投資したいと考えていますが、上記の観点で見れば、現状は鳥貴族に対する投資はやや控えたいかな、と思うところです。
あなたによりよい未来が訪れますように!